肩の痛みは自然になおるの?
まず、大切なことをお伝えしておきます。
患者さんからよく聞くことですが、「放っておいても大丈夫。自然に痛みが取れる。」 という話ですが、これはありえません。
痛みを放置することで代償作用が生じますから、肩周囲の靭帯や筋肉に多大なストレスを与え続けることになります。
肩こりとの違いは?
肩の痛みと肩こりを混同する人も多いのですが、この二者はまったく違うものです。
肩こりは首のつけ根の筋肉の疲労が原因で起こり、肩の痛みは肩関節の周囲の炎症が原因で起こる状態です。
肩が痛くなるとどうなるの?
ひどい痛みが治まってからも肩を動かしにくいのが、症状です。
半年から長くて2年では自然に治ってくると言われています。炎症は治まってくるのですが、その過程で線維性の物質が出てきて、腱板の周囲が癒着し、肩の動きが悪くなってしまうのです。
そのうち治るなら…と放っておくと危険です。
患者さんによって治まるまでの期間は異なりますが、必ず一定の経過をたどって進みます。
■急性期:炎症が起こったばかりで激しく痛み、運動制限がある時期
■慢性期:炎症の勢いがおさまるが、無理に動かすと痛みがある時期
■回復期:腕を動かしても痛みはないけれど十分に動かせない時期
どんな治療をするの?
肩の痛みは、ほとんどは運動療法的な治療によって改善します。
肩は治療に加え予防も大切です。日ごろから肩の運動だけでなく、適度な全身運動を心がけましょう。
具体的な肩の治療としては、急性期であれば冷やして安静にしますが、慢性期ですでに肩関節が固まってしまっている状態であれば、肩関節の牽引や調整、温熱療法などを行ない肩関節の本来の動きを取り戻していきます。
それに加えて、肩関節周辺の筋肉のアンバランスや緊張の改善、胸椎や頚椎の関節の調整などを行ないます。
さらに、必要な方には効果的なストレッチやエクササイズを処方します。
様々な体操がありますが、無理をしないようにゆっくり確実に行なっていくようにしましょう。
徐々に肩の動きをつけていくことが中心となるため、ケアの期間は長めになりますが、治療とご自身でのエクササイズで、早期に改善できる可能性はあります。
きっと解決します。是非おまかせください。